[ゲーミフィケーションとは?]徹底分析したら幸福度が急上昇!
「ゲーミフィケーションって何だ?
勉強や仕事は嫌いだけどゲームは大好きだぞ
楽しく幸せになれるってんなら
知っといて損はないかなー」
勉強や仕事はできればしたくありませんよね
「ゲームで遊んでいるだけで成績が良くなりお金がもらえたらいいのに…」なんて考えたことはありませんか?
ゲーミフィケーションとやらでその願い、叶うんじゃない?と思い、徹底的に調べてみました
結論から言うと、私は分析しすぎて“脳内ゲーミフィケーション術”を習得しました。
今のところ「攻略出来ないストレス」は皆無です。
- ゲーミフィケーションの意味・条件・注意点を洗い出す
- 実験論文を紹介、問題点に注目
- 脳内ゲーミフィケーション術の可能性
ゲーミフィケーションとは?
「人事労務用語辞典」が、一番柔らかく書いてあり分かりやすかったです
「ゲーミフィケーション」(Gamification)とは、遊びや競争など、人を楽しませて熱中させるゲームの要素を、ゲームが本来の目的ではないサービスやシステムに応用し、ユーザーのモチベーションやロイヤルティーの向上に資する取り組みを指します。2010年に米国で提唱。本来は顧客の活性化を図るマーケティング手法の一種ですが、最近ではビジネスへの利用にとどまらず、企業の人材開発や従業員向けサービス、さらには社会活動の手段としても使われ、大きな注目を集めています。
「人事労務用語辞典」より引用
出典: Weblio辞書
超簡単に言うと「物事のゲーム化」です
ゲーム要素を取り入れ人々を熱中させ、ビジネスをしたり学力向上を促すのです
さて、ゲーム要素とは何なのでしょうか?
ゲーム要素
ゲーミフィケーションという言葉を世に広めた第一任者である”ゲイブ・ジッチャーマン”は、次のようなループを繰り返し進歩している感覚を生むことが大切だと述べています
これらのゲーム要素によって、私たちはいわゆる”ハマる”のです
- DESIRE=欲望
- INCENTIVE=達成したくなる刺激
- CHALLENGE=挑戦
- ACHIEVEMENT/REWARD=成果/報酬
- FEEDBACK=反応
- MASTERY=習得
理解できると「なるほど!」なのですが、パッと見「なんのこっちゃ???」ですね
課題・報酬・交流の3ステップ
書籍『ゲームの力が会社を変える』の著者・”岡村健右”氏が紹介している3つのステップ
「課題」「報酬」「交流」を参考にめちゃくちゃ簡潔にまとめてみました
これでほぼ全ての説明がつきそうです
課題 | ミッションを設定しクリアする →易しすぎず難しすぎない |
---|---|
報酬 | アイテムがもらえる、レベルアップするなど →すぐに数値化されて確認できる |
交流 | 他のプレイヤーと協力・競争ができる →褒められる、優位に立つなど承認欲求を満たせる |
例)良くあるポイントカードの仕組み
課題 | お買い物をする アンケートやミニゲームに参加する |
---|---|
報酬 | ポイントがもらえる 会員ランクがアップする |
交流 | ポイントをプレゼントしたりされたりできる ポイントを貯めるコツを意見交換する 1万ポイント貯めたぜ!のように自慢できる |
注意点も書いておくね!
注意点
この項目はゲーミフィケーションを扱う側の方向けなので、それ以外の方は読み飛ばして頂いても構いません。
自ら取り組んでいる感
仕掛ける側が取り組ませてはいるのですが、プレイヤー(お客さん)に自らやりたくてやっていると思ってもらうことが大事です
ゲーミフィケーションはモチベーションを上げるための活動なので、「無理やりやらされている・そもそも興味が無い」とやる気が出るはずないですよね
あくまで「ゲーム」なのですから楽しくないと成立しません
「毎日欠かさず3時間以上ポケモンをやりなさい!」って言われ続けたら…どうでしょう?(笑)
ジッチャーマンの言う①DESIRE(欲望)のかきたて方、つまり導入が大事です
可視化が鍵を握る
ゲーミフィケーションがここまで発展した一番の要因は、科学技術の向上により”可視化”が容易になったからです
[可視化=見える化=数値化]と言えます
例えばポイントカード、Twitterのいいね!、体重計だって可視化ですよね
これらが数字として見えるから、ジッチャーマンの言うサイクルが生まれるのです
可視化できていないと、伝わりづらくて競えませんもんね
「今これ何ポイント貯まってんだ?」っていう謎のカードありません?
可視化は、すぐに反映させいつでも簡単に確認できるようにすることが大切です。
需要を見極める
これに限らず全てのことに言えますが、
“何を楽しみたいのか”は人によって違うので、「タイプを見極めないと上手くいかないよ!」という話です
「BARTLE’S PLAYER TYPE」(バートルのプレイヤータイプ)を使いしっかり把握し、感情を刺激することが大切だとジッチャーマンは言います
- ACHIEVERS:高い得点を稼いだり、アイテムがすべて集まるような結果が出ることを好む。誰かが勝つ。
→例:築地の競り- EXPLORERS:探求や研究が好き。冒険そのもの、新しい領域を開拓するようなプロセスを好む。ミッションクリア型のアドベンチャーなど。
→例:スーパーマリオブラザースの隠れキャラ- SOCIALIZER:他のユーザと友好的な関わりを持つことを好む。
→例:バリーガール(映画) ショッピングはソーシャルアクティビティ- KILLER:他のユーザに攻撃的な態度を取ることを好む。他の人を負けさせたい。
→例:トランクルームのオークション(自分が欲しくなくても他人が欲しいものを阻止する)
- ACHIEVERS=達成者
- EXPLORERS=探検家
- SOCIALIZER=社交家
- KILLER=キラー
- ACTING=演技
- ENVIRONMENT=環境
- INTERACTING=相互作用
- PEOPLE=人
[重要]目的は明確にすべき
導入に成功しループさせることができても、「何が得られるのか?得られるとどうなるのか?」が分からないとプレイヤーは成長することができません
ここがゲーミフィケーションの賛否が分かれている部分で、つまり「熱中させるだけさせといて実は無意味だよね」、って話です
「楽しませて儲かってWIN-WINじゃね?」
という企業が増えてしまい、危険視すらしている学者もいるほどです
あくまでお客様目線で、”楽しく目的達成して頂く”が根底にないといけません
そして先述したように、目的もプレイヤー自ら設定してもらうのがベストです
なので「強制するようなビジネスや学校においてゲーミフィケーションは当てはまらない」との声もあります
実例
「それで?ゲーミフィケーションの効果ってどんなもんなの?」
といったところを分析していきたいと思います
たくさんの論文に目を通したのですが、その中でも問題点が興味深かった2つをご紹介します
この記事で学んで頂いた要素のどれに当てはまるかな~と考えてみると面白いです
が、雰囲気だけ感じ取って結果に注目して頂ければと思います
詳しく知りたい方は原文のリンクを後述しますので是非お目通しを。
論文その1
この論文は、2012年に東京工科大学が大学生124名を対象に実施した「授業への集中力持続および学習意欲の向上にゲーミフィケーションが有効であるか」を調べた実験です
ゲーム要素を取り込んで授業に熱中させてみたんですね
内容をざっくりと箇条書きにします
(1)達成可能な目標設定
(2)成長の可視化
(3)称賛演出
(4)能動的参加
(5)即時フィードバック
(6)自己表現
(1)前回授業の振り返り
(2)今回の授業のゴール設定
(3)対話型授業
(4)グループワーク
(5)授業後の小レポート
(6)ワークショップ
(7)拍手と褒め言葉
(8)評価システムの開示
(9)途中成績の開示
(10)講師ブログでのフィードバック
(11)授業ロゴデザインコンペ
(12)アドバンス課題
(13)オンデマンド授業&ワークショップ
(14) 舞台型授業
15回の授業の後、学生たちにアンケートをとったところ、
「授業に集中できた」96%
「学習意欲が高まった」91%
と言う驚異的な高評価を叩き出しました!!!
しかし問題点も浮き彫りになりました
<学力向上に関しては当アンケートからでは確認できなかった>
集中できたし意欲は高まったけれど、肝心の成績アップにつながったかは分からないということですね
まぁ結果はもちろんついてくるとは思いますが、遊び感覚になりすぎてしまうかもと疑問視する声は絶えないそうで。
<講義をする側の負担が大きい>
特に(5)即時フィードバックが大変だったようです
瞬時に受け答えしたり褒めたりブログにまとめたりまあ大変ですよね
一方的な講義ではなく生徒全員参加型なのでアシスタントも不可欠になりますよ、と。
学びたい意思があるのであれば効果抜群でしょうけど、小中学生など授業を強制されている場合にゲーミフィケーションは使えないんじゃない?というのが私の見解。
まさにそこを調べてくれたのが論文その2です
参考文献:岸本 好弘、三上 浩司(2012)「ゲーミフィケーションを活用した大学教育の可能性について」,『日本デジタルゲーム学会 2012年次大会発表原稿』東京工科大学メディア学部.
→論文を読む
論文その2
2つ目の論文は、2016年に千葉大学が小学5年生を対象に実施した「ICTを活用して授業を飛躍的に改善することを目指す」実験です
(ICT=Information and Communication Technology=情報通信技術→つまりここで言うゲームです)
論文1のように「ゲームのような授業をする」のではなく「ゲームを授業にしよう」というわけですね
算数と国語、各3時間分の授業で実験したわけですが、なんとこのためにゲームそのものを開発したというのですからもの凄い熱意を感じます
(1)教室の子どもたちを巻き込むファンタジーの世界観
(2)意思確認と自発的参加
(3)協働学習とランダム指名
(4)集団自己評価と励まし
先程私があげた疑問点「自発的に参加しなければ~」というところは次のような手法により概ね解消できていました
出典:後述いたします
私はちょっと意外だったのですが、ほとんどの子どもたちは拒否の選択肢がある限りは「いやだ!」を選択し続けたそうです。
この実験、小学5年生ってところが絶妙なんですよね…(笑)
しかしキャラクターがしつこく頼み込んで来て、子ども達から笑いが出始め、最後には協力の選択肢のみが表示されると、楽しげに承諾したそうです。
この楽しげに承諾というところが重要で、そうすると困難に思える課題にも立ち向かえるようになるそうです。
つまりは「自発的に参加した」と思えるんですね~面白い。
(3)の「協働学習とランダム指名」も興味深くて、要するに「挙手したり先生が指名したりは授業のマイナス面である」と言う見解です
指名を完全なるランダム制にし、分からない場合でもクラスみんなで協力し合い、一番いい答えを導きだし、そして指名された人が責任をもって発表するというシステムをとっています
もう、涙が出るほどいいアイディアですね(笑)
何より、“困っている人を助ける為に考える”ことが一貫されているようで、コンセプトとして素敵。
どうしても授業って、一方的に課題を押し付けられるわけだし、「なんで答えなきゃならないの?」ってなりますもんね。
出典:後述いたします
さて、もはや見るまでもないですが、アンケート結果がこちら。
「授業を楽しめた」
算数97% 国語97%
「抽選による指名を楽しめた」
算数93% 国語96%
こちらの論文でもやはり、学力が向上したかどうかを調べるにはもっと長いスパンで行わないといけないので、ひとまず「まなびこむ授業の開発」という実験は大成功なのではないかなと思います
まぁ結果は当然として面白いのは問題点です
これだけ明らかに成果が出ているのだから
「ゲーミフィケーションが大活躍するぞ!」
「とっとと全部ゲームを使った授業にしちゃおう!」
というのが自然の流れかと思いますが、そこに大きな障壁があるのです
<学校文化にそぐわない>
子どもたちに受け入れてもらうにはファンタジーの世界が重要です
キャラクターが可愛くデフォルメされていたり、SF感の強い舞台設定などは必須。
そこで文化摩擦が起きてしまい導入は難しいみたいです
文化や伝統は時に無意味に科学の進歩を阻害する要因になりますよね…
<教師が教える立場に立たない>
ゲームのストーリーやクラスメイトたちと学ぶことが大事なので、教師はゲームの進行役になってしまい役職が変わってしまうということです
むしろ他の面での教師の存在意義って大事だと思うので良い気もしますが、仕事がなくなると受け取る方たちは悲しいでしょうね…
プログラマーやエンジニアが教壇に立つ時代はもう少し先のようです
参考文献:藤川大祐(2016)「ゲーミフィケーションを活用した「学びこむ」授業の開発」,『千葉大学教育学部研究紀要』 第64巻143~149頁,千葉大学教育学部.
→論文を読む
問題点に注目するのが大事
実験は、成果も大事ですが問題点を洗い出すためにやるものです
2つを比べて面白かったのは、
論文その1
→ゲームのような授業にデザインする
→教師の負担が増える
論文その2
→ゲームそのものを使って授業をする
→教師がいらなくなる
何しても学校という組織そのものを変えなければならないかもしれませんね
まあゲームを作ることが大変なのでどちらにしろ講師の負担が増えることには変わりありませんけどね
結論
ゲーミフィケーションは、熱中させる効果は絶大だが、扱い方が難しくそぐわない分野も多い
あくまでプレイヤー目線で、目的を明確にし達成することを忘れてはならない
次は私が導き出した「これぞゲーミフィケーション」の例を1つ挙げます
任天堂「Wii Fit」
ゲーミフィケーションの成功例はネット上にたくさんありますし、「これはゲーミフィケーションだ!」と言われれば確かにそうだなあというものもたくさんあります
それらはもう皆さんお気付きであるとして、ここで私があえて紹介したいのは任天堂の「Wii Fit」です
「ゲーム会社なんだからゲーム化するのは当然だろう」と言われそうですが、このWii Fit、私は歴史的革命だと思っています
「マリオ」や「ゼルダ」をはじめとする多くの人気ゲームを生み出した、私が愛してやまない「宮本茂」さんは、”体重計をゲームにしよう”と思い立ったのです。
体重、体脂肪率、ヨガ、筋トレ、有酸素運動、バランス感覚などつまり「健康」をゲーミフィケーションしたのです
そうすることにより、本来のゲームの需要層である若者男性以外の、ダイエット目的の女性や、健康が気になる親御さんやご高齢者、つまりファミリー層へと需要を拡大したのです
他にも赤ちゃんを抱えて成長過程を記録できたり、「ペットも家族の一員だ!」ということでわんちゃんも記録できます
まさに家庭用ゲーム機のあるべき理想の形だとは思いませんか?!
- DESIRE=痩せたい!
- INCENTIVE=ゲームで遊ぶだけで健康になれるらしい
- CHALLENGE=遊ぶ
- ACHIEVEMENT/REWARD=様々なデータがすぐに分かる
- FEEDBACK=キャラクターが褒めてくれたりアドバイスをくれる、痩せはじめた、寝つきが良くなった、家族と一緒に取り組んでコミュニケーションも増える
- MASTERY=気付いたら痩せてた!
ざっくり言うとこんな感じでしょうか
ここでは多くを語りませんがゲーミフィケーションを知る上で一番参考になったのでご紹介しました
任天堂の作品は他にも「脳トレ」「えいご漬け」「絵心教室」「リズム天国」などなど、何か習得したい目的に合わせたゲームがたくさんあります
会社経営する方には「ピクミン」をプレイすることをお勧めしますよ(笑)
このように、日常をゲーム化して楽しく幸福度アップ!なものって実は意図せずみんな使ってるんです
脳内ゲーミフィケーション術
さて、ゲーミフィケーションを調べつくした私の見解は
「意識を変えるだけでゲーミフィケーションは成立するんじゃない?」
ということ
思い返してみると私、すでに実践してたんですよね
例えば、学校でのテストは「楽しいクイズ大会」だと思っていたからか、成績は1番でしたし
仕事は「ミッションをクリアして報酬をもらうゲーム」だと思っていて、いかに効率良く人の役に立つか?を意識していて好きです
そういった日常生活での私の脳内ゲーミフィケーション術は誰かの役に立つんじゃないだろうか?という思いからこのサイトを立ち上げた次第です
幸福の尺度って人によって様々ですよね?
極論、幸せと思い込んでいれば幸せなんですよ。
「じゃあ、何でもゲーム化して幸せな世界にしちゃおうよ!」
というのが私の出した答えです(笑)
おわりに
いかがだったでしょうか?
最終的に任天堂愛が溢れそうだったので切り上げましたが、ゲーミフィケーションを知りたいならやはりゲームを知るべきです。
導入を検討している方は是非とも、目的を見失わずお客様の目線に立って活用して下さいね。
それこそ「ゲーミフィケーションを導入するゲーム」をあなた自身も楽しめばプレイヤー視点で取り組めそうですね★
また、私はいろんなことをゲーム化して考える記事を書いていきますので、気になった方は覗いてみて下さい。
記事の内容を実践したらアイテムが貯まったり、レベルアップしたりなどできたらいいなと考えておりますが…
自分で紹介しておいてまだまだゲーミフィケーションの条件を満たせていません(笑)
それでも、一人でも多くの人がちょっとでもハッピーになってくれれば幸いです