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出来栄えが悪い方が愛着が湧くし、思い出になるんですよ。

以前は休みがちだった施設の利用者さんが毎日のように通えるようになる現象を「細見効果」と呼ばれていて「細見ってマジすごいっすね」と人ごとのように大笑いしたガチ救世主細見豊です。

そんな僕の生活支援員としてのお仕事内容を少し記録してみます。

大きく分けて、3つの障害を持つ方が通ってくれています。
身体障害、精神障害、発達障害です。

その3つのどれかに分類したとしても、どのくらいの作業が可能なのか?どのくらいの向上を目指しているのか?もちろん様々です。
そんな方々と、「みんな一緒に楽しめる何か」を生活支援員は考えてプログラムを組まなければなりません。

例えば今日のテーマは「お菓子作り」
ポイントとしては、
・少しでもいいから全員が調理に参加できる
・何をしたらいいかが伝えやすい
・作業が楽しい
・すぐに食べられる
こういった条件下で、限られた予算でレシピを考えます。

スーパーに行くと「フルーチェ」的な、簡単に作れる材料が売ってますよね。
「フルーチェ」的な、で上の世代は通じるのですが、僕より若い世代は通じませんかね(笑)
牛乳だけ用意すれば、混ぜて固めて出来上がりみたいなやつね。
スピード中華みたいな(それも下の世代は以下略)

前回は「杏仁豆腐」を作り、果物の缶詰を買って各自で盛り付けしました。
今回は何にしようかなと迷ったのですが、「チョコバナナ」にしてみました。
バナナもチョコも、そのままでも食べれておいしいですし、失敗は無いわけで。
なかなか自分で作る機会がない、でもなじみのあるものを、みんなで作る作業が楽しそうだと思いました。
バナナにお箸をさして、チョコの中に突っ込んで、カラースプレー(カラフルなツブツブチョコ)をかける。

フルーチェや杏仁豆腐だと、混ぜるだけで簡単なんですが、簡単すぎて楽しくないんですよね。
あと作ってる感というか、完成に近づいて行ってる感、なんていうんすか?!製作途中が可視化されづらいんですよ。
あー分かった、見た目にインパクトがないんすよ(雑)

チョコバナナ作りは、簡単だし、伝えやすいし、どの障害を持ちの方でも楽しめると思ったわけです。
そして何より、僕が1番「やって良かったな」と思った事は。
見栄えがきれいにはできないんですよね。
最近常々思うのは、自分たちで作ったものに関しては、出来栄えが悪い方が愛着が湧くし、思い出になるんですよ。
利用者さんも、みんな最初から最後まで楽しく、そして美味しく取り組めましたし、職員さん達にも笑いが取れました。
今朝は結構シリアスな話をしてたんですが、「今日は何するの?」と聞かれ、僕はシリアスな顔のまま「チョコバナナをつくります」と言ったら、ものの見事に和みました。
さすが「細見効果」の第一人者ですね。

今回、何が言いたいかって。
「みんなもチョコバナナを作ってみてください★」と言う話ではもちろんなくて(笑)
「全員救えるアイディアって、とことん考えれば結構あるかもなぁ」と言う話です。
特に僕の場合「福祉」として仕事を捉えていなくて「エンターテイメント」と考えているから、この気持ちは忘れたくないなーと思いましためでたしめでたし。

どなたかのお役に…立ちそうに書いてみましたがただの自慢でした(笑)

PS
季節が変わってきて別の花が活躍してきましたねぇ。

貴重な「進化の過程」が一堂に会した瞬間。