Blog

イイ音楽はとっても親切なんですって話。

ぴくちっぷ

ついに猫カフェデビューを果たしたほそみゆたかです。


この神々をぜひワタクシめの住まいにおいでなすって頂きたい。
#日本語崩壊

ぼくの部屋、縦長なのでね。
ねこ様的には楽しいんじゃないかなと思うんですがペット禁止なんですよねぇ。
#ペットではない、神だ!
#遊戯王

さて今日は、「イイ音楽はとっても親切なんですって話。」を書いてみます。
イヤホンでしっかり音楽が聴けるときに読んでみてくださいませ。
#ませ。ってイイよね

マニアックで長文なので覚悟してくださいませ。

音楽は”期待”から

この世は「気持ち良ければ全て正解」という絶対のルールを最近説いてます。
そして音楽なんてもはやその極地なわけで。

より「気持ちイイ」を設計するためにセオリーがあり、流行があり、楽器や歌があるわけで。
お相手への配慮がとーっても大切だとぼくは思うわけです。
#ボイトレでもそう教えてます

しかし、親切の押しつけは気持ちヨクナイ。
求めていない助言とか逆に不愉快だったりしますよね。
なのでまずは「こうなったらイイな~」をご用意してあげなくっちゃ。
そこも配慮。

肌寒いかもと思った瞬間カーディガンをふわっと肩にかけてくれるような。
のどが渇いたかなと思ったその時、耳元でアイスティーの氷がカランっと聴こえるような。

そんな無意識レベルの期待をして貰って、お応えするような表現を、さりげなーく設計するのがイイ音楽だと思ってます。

もちろん、期待を裏切ってびっくりどっきりテンション爆上げ!気持ちイイ!ってのもあるから音楽はすげぇんです。

親切すぎて腰抜かした

こちらを聴いてみてください。
BUMP OF CHICKEN様より「流れ星の正体」です。

BUMPはぼくの原点でして。
給食の時間に流れた「ハルジオン」を聴いてエレキギターを買いました。
「車輪の歌」で歌詞の芸術さを知り、
「K」を聴いて物語を曲にすることに目覚めました。

そんなことはさておき。
BUMPのボーカル、藤原基央さん(以降、藤くん)は、音楽は親切であるべきを徹底しているなあといつも思うわけです。
本人がそう言ってたわけじゃないから、ぼくが勝手にそう思ってるだけだけど。

昔はBUMPのCDだけは全て買っていたんですが、最近はご無沙汰していて。
ふと聴きたくなって公式チャンネルのミックスリストを再生してみたら。
この「流れ星の正体」って曲のあまりの気持ち良さに腰を抜かしました。

ほそみ的解説

まず、藤くんの声とギターのみで始まりますよね。
ギターはじゃかじゃかせずに、和音をぽーん、ぽーん。

…もうね、これだけでもうほかに何もいらないんですよ。

え?ぼくがファンだからですか?ほんとに?
ここに何を入れても邪魔じゃない?
じゃあ聞きますけどどんな音を入れます?
怒らないから言ってみ?
#圧

この曲がどんな曲か、メロディーがイイかとか置いといたとしても、これだけで「気持ちイイ」が完成してる。
あえて静かに弾き語りで始まるなら普通は、ギターをじゃかじゃかしたり、もしくはもう少しぽろろんぽろろんと弾いたりしますが、それもいらないと。

さらにマニアックなことをいうと、あえて空気ノイズが入ってる。
歌いだす直前に「サー…」ってノイズが始まるので聴いてみてください。

ノイズは徹底的にカットするもんですが、これによって藤くんと同じ部屋で自分にだけ歌ってくれているようなリアリティが増しますよね。
#ホントにそんな手法
#粘着質なファン視点とかじゃない

そして普通はさすがにサビに入ったらじゃかじゃかしたり、じゃらりんっとしますが、ぽーんぽーんの拍を1つ増やしただけで、雰囲気が保たれつつ、ここがサビだと分かる。

もっというと、直前に1拍音を止めることでサビですよって教えてくれてるわけです。
#転調もしているゾ

静かに始まるパターンのときは特に、サビが分かりづらいと、
「え?ああまだサビはこれからなのね」
と思われやすいんですよ。

“期待”させちゃうんですね。
そのまま期待していたサビが来ないと消化不良になってモヤっとさせちゃう。
なので基本的にはサビは分かりやすくしてあげる方が親切。

1番で大満足なので…

さてぼくが感激したのはこのあとです。

先ほど申し上げました通り、これだけでもうほかに何もいらないんですよ。
1番の雰囲気で大満足なので、このまま弾き語りで最後までいって下さって構わないんです。

つまり、ここで2番からバンドがドーン!と入ってきちゃうと台無しとすら思っちゃう。
でもそれがよくあるパターンというか、まあ普通は誰しもそんなアレンジをします。

でもそれって、バンドが入ったほうがイイ曲になると考えているわけで、
つまり1番は出し惜しみというか、劣化版をお届けしているというスタンスなわけで、
それってどうなんだろうといつも思う。
#もちろん曲によるけどさ

2番からバンドが入って気持ち良いと感じる人にとっては、1番は退屈なわけで。
弾き語りで満足した人にとっては、バンドが入ったら裏切られた気持ちになる。
#極端に解説してますよ

アレンジや編曲ってすごーく緻密に繊細に配慮していかないとなんですよ。
とっても人間としての力量が試される。

2番導入の配慮が神

さて話を戻しまして。

BUMPはバンドですし、このまま弾き語りなわけがないと分かってる。
でも、どうか、(メンバーさんには悪いけど)、あんまり騒がしくしないで~!
っと思っちゃう。
だってしょうがないじゃん。
藤くんが良すぎるせいだもん。

自然にバンドが入ってくるパターンでよくあるのは、
ベースとキック(バスドラム)だけ、音数は少なめに入ってきて、リズムの大枠だけ始まるやつ。

でも、まじで思っていたのは、
「低音よ、どうか来ないでくれないか…」
だったんです。

ここでこの曲、2番と同時に入ってきた音は低音ではなくシェイカーです!!!
#右耳シャッカシャッカ

ギターはさらに拍を細かくし、弾むようにリズムを出していますね。
そして後ろではさりげなく温めの音で和音がほわーんと隙間を埋めてくれてます。

Aメロ2周目で低音きちゃうかと思えば、ここで登場!ありがとうタンバリン!!!
#左耳チャッキチャッキ

つまり2番からは「リズムが始まって欲しい」ところを叶えつつ、
藤くんが身近にいる感は残してくれているんですよね。

突然バンドがどかーんと入るとどうしても「音源感」が出ちゃうんですよ。

冒頭からギターの拍が細かくなっていくところも統一した流れがあってとっても自然。

そして1番にはなかった間奏が始まり。
そこできらきらした音色のエレキギターが入場。
#流れ星感

あまりにも自然に、気持ちイイところでバンド1人目が入ってきました。
そのための間奏。

#配慮されすぎてて気づけない
#気づかれないことが本当の配慮

ベース登場シーン

その間奏の後半に、ベースがちょっぴり現れます。
ベースってのはギターより長くて4本弦で、1番低い音を奏でる楽器です。

ここまで低音がまだ不在で。
バンドの醍醐味は“リズム”と”低音”なんですよ。
リズム導入の自然さは先述した通りでしたが、低音の登場も気を配りたいところ。

そこで、この間奏で、ベースが、ちょこーーーっとだけ低音でドゥドゥドゥ…
そして高音に移動してぽぽーん…ぽぽぽぽぽ….
#聴こえましたか
#2:14です

不思議な感じでベースが現れ、そんで間奏明け、再びのAメロ。
なんとベースいないんですよ。

じゃあさっきのはなんだったのかって?
つーか気づかなかったよって?
そうです、伏線ですよ。

気づかないレベルで一瞬低音を聴かせることで、この後に始まるバンドサウンドを期待して貰うんですよ!
こういうことを昔っからチャマは仕掛けてくるんですよ!
#ベーシストのチャマさん

再びのAメロで、間奏から始まったエレキギターの旋律がそのまま続いてますが、もはやそこに違和感なんてない。
流れていることが当然に感じる。
きらーんってシンセの音も入ってきてるけど違和感ゼロというか気持ちイイ。

これが1番のAメロで流れ出したらと思うと…
絶対じゃまだもんね。

満を持してフルバンド入場

そしてベースが参加し始めるのはサビではなくてBメロ。

でもまだ低音ではなく高音で。
しかも「入ってきた感」を感じさせないように、なんと2拍目から。
#神配慮すぎん?

リズムは刻まずに長い音符と長い休符。
後半は中域に降りて同じようにぽつりぽつり。
ベースらしさ、バンドらしさをここではまだ感じさせない。
#まだ低音もリズムも出さない

そして!満を持してドラム初登場!
フィルイン(タドッタタタドドッ)と一緒に、ベースらしさも満を持してぶいーんとうねりあるフレーズ!
で!サビ!ようやく低音もどーん!
#気持ち良すぎ

エレキギターもちょい歪んでるロックなサウンドに変わってるんですが、気持ちイイしなんなら気づかない。

どうですか皆さん。
バンドが入ってきてはちゃめちゃに気持ちイイし嬉しいし、こうなって欲しかったって感じませんでした?

1番ではあんなにも「このまま何もいらない」と全人類が心から願っていたのに。
#絶対に願っていた
#個人の感想です。

この後どうするの問題

さてこれで終わりじゃないんですよ。
ここまで配慮し尽くしてバンドが入ってきたのはいいものの、2番サビが終わった時、もう3分50秒なんです。

ええーっと、この後どうする?
皆さんだったらどんな展開にする?

ここでよくありがちな残念パターンは、「一旦オチサビ(静かなサビ)を挟んで、大サビをやるやつ」、です。
#王道だけどさ
#本当に残念

配慮がないアレンジの典型は、「静か…→どーん!」を何度もやるやつです。

静かになったら次はどーんだよねって誰でもわかるので、何度もやられるとシンプルに「うるさいなあ」って思っちゃうんですよ。

ゆったり聴いて欲しいのか、わくわく聴いて欲しいのか、決まってからにしてね?って思う。

「流れ星の正体」は、1番を丸ごとソロにしたことと、2番にAメロと間奏をプラスしたこともあり。
このままいくと結構ボリューミィなんですよね。

1番A→B→サビ
2番A→間奏→A→B→サビ(今ここ)

この後を普通の楽曲のように
例)→ギターソロ→Cメロ→オチサビ→大サビ→アウトロ
とかやっちゃうとすっげー長くなる。

まあ正解はないわけなんだけど、この曲はどうなってるかって。
まったく違うサビをどかーんとやって終わります。
アウトロもなく、スパッと終わり。

これって凄いことで、この展開は当たり前じゃない。
正直ぼくはサビ絶対正義主義なので、メロディーも曲調も違うものがここで来るのはむむむって感じなんだけれど。
でも考えれば考えるほどに芸術だなあって思う。
ぼくだったら間違いなくこうはならないもんね。

このウルトラC(Cメロだけに)展開によって、がっかり感要因をすべてクリア出来ていると考えると、やっぱすげーわって思う。

まとめ

いかがだったでしょうか?
楽しくなっちゃって長文になっちまったけども、いつかこういう脳内も記録しておきたいなあとは思っていたんですよね。

プロはここまで配慮して気持ちイイを設計しているんですよね。
ぼくもそうありたいと思うし、だからこそ作曲をしていきたい。

それってつまりはニンゲンを磨くことにもなるわけで。
心の成長をし続けるためにも、作曲って大事だったんだなって思います。
#っていうか今思い出した
#作曲してぇな

だってBUMP OF CHICKENの皆さん、めっちゃイイ人たちなんだろうなって思いません?
こんなに親切丁寧に気持ち良くさせてくれるんだもの。

ここまで分析して語ってますけど、ほそみゆたかにそんな気持ちイイ曲あったっけ(笑)
未熟さが浮き彫りになりますね。

皆さんも好きな楽曲を、今一度耳を澄ませて聴いてみてくださいませ。
作り手の配慮を感じられてより好きになっちゃうかもしれませんね。

スポンサーリンク
記事URLをコピーしました